あなたの「種」を大切に

ある番組で、信州のワイナリーの収穫風景が紹介されていました。
近所のおじいちゃんたちが集まって収穫しているのですが、醸造家の方がぶどうを2つに割ると、中には大きめの種が入っています。食べるのにはちょっと…と思って見ていたらその方は
「この種がいいんです」
と仰います。
どういうこと?と思っていると「この種の中にタンニンがたっぷり含まれているからいい味になる」のだそうです。
(赤ワインはぶどうの皮や種や茎まで長時間漬けこんで作るためにタンニンが生成されるそうです)
種の中には、ワインを美味しくする宝物がたくさん詰まっているのですね。


「奇跡のリンゴ」という映画をご存じですか?
不可能と言われた無農薬リンゴの栽培に取り組んで成功させた、
青森のリンゴ農家・木村秋則氏の実話をもとにした作品です。(泣けます)
木村氏の言葉に、
「種から初めに出るのは『芽』ではなく『根』だ」というものがあります。

「何かを成すためには我慢の時期も必要です。どんなことでも、目には見えないけれど、その下準備の労がある。
その労が多ければ多いほど、きれいな花を咲かせるのです」

あなたも「種」なのです。
種の中には、これから育っていくために必要なものはすでにたっぷり詰まっています。
そして、正しい水やりとお日さまの光があれば
自由にのびのびと育っていこうとしているのです。

カサンドラたちは、必要で適切なお水をもらえず、日も射さない場所に閉じ込められていたようなものです。
そんな場所では発芽するわけもなく、発芽しても枯れてしまって健全に育ちません。

あなたも、このまま地面の下で種のままではなく、芽を出し、枝をひろげ葉を繁らせ、
広い地上で大きくのびのびと生きていきましょう。

わたしも長い間、芽を出せない種でした。
でも蝉のように、今までの経験が長かったからこそ、
地上での輝きは何十倍にも濃いものになっています。

ぶどうを収穫しているおじいちゃんたちは
「収穫はくせになる。なぜならぶどうの一番いいときを手にできるから」
と言っていました。

聖書に
「涙と共に蒔いた種は 歓喜と共に刈り取る」
という言葉があります。

光が射さない部屋から出るのは自分の足で。
誰もお水をくれなくても、あなたがあなたにお水をあげればいいのです。

あなたの種もそろそろ芽を出しませんか。
そして楽しみながら大きく育て、収穫したものをたっぷり味わいましょう。