タイパ

ラジオを聞いていたら「タイパ」という慣れない言葉が耳に入ってきました。なんのことかと調べると

タイムパフォーマンスとは、投資した時間(time)に対する成果(performance)を示す言葉

の略なんですね。(知りませんでした)
へぇーと驚いてしまう文化や言葉が次々に出現してきます。
自分と我が子の間でもこんなギャップがありますから、
わたしと親にだって世代間ギャップは大いにあったわけですね。

歌は、前奏が短くなったそうですし、
ドラマも、見たい役者が出るまで待てない、または出ていないシーンは飛ばす、のだそうです。

SNSの影響は無視できないと思います。
見るもの、情報は、歩いている時、寝る直前まで追わないと間に合わない程溢れています。
便利になって実に忙しくなりました。
コロナの影響もあるでしょうね。


合コンも減っているのだそうです
コロナが落ち着いてまた復活するのかと思いきや、
「合コンで知り合って、好みを探って、連絡先を交換して、
デートして、ダメならやり直して…」という過程が全部
「タイパが悪い」ので廃れつつあるのだそうです。
それよりは、事前に好みの外見、趣味などの条件が合う人を絞れる
アプリなどが「タイパが良い」ので今の若い世代には受け入れられるのですね。

さらにタイパ思考は衣食住まで。
ファッションに時間をかけるのもタイパが悪い。
→ 登録しておけばプロのスタイリストが服を選んで送ってくれるシステム
準備や買い物、調理などに時間をかけるのもタイパが悪い。
→冷凍のお弁当や、糖質などが計算された宅配のミールキットなど急成長
通勤、掃除などの維持もタイパが悪い。
→通勤の時間、掃除の手間がかからないホテル生活者の増加

タイパによって節約できた時間は、何に使うのでしょう?

他人と知り合ってお互いを知っていく過程、それこそが貴重な経験です。
服や食べるものを自分の目で確かめて選ぶ。感性が育まれます。
住む場所を自分で綺麗にする。掃除する。
通勤という不便さも工夫し楽しむ。

全てが自分を知ることに繋がる経験です。
思い通りにならないことへの耐性を養う体験です。
生きている以上、人は万能ではない、省けないものや時間があることを知らないとなりません。

タイパによって失われるものの大きさを、いつか知る時がくると思います。
時間をかけることを避ける傾向は、恐ろしいことだと思います。