買い物をしてラッピングを待つ間、併設のギャラリーでの写真展にふと足を向けました。
その時目にして、足を留めた一枚の写真です。
隣り合わせた川の水の色が全く異なっています。深い示唆を含んだような一枚に見入っていると在廊のカメラマンさんが説明してくださいました。
大雨の後の様子で、左が水位が増して氾濫に迫った川の水、右が湧き水です。
わたしはふとこんな連想をしました。
左の茶色く濁った水が、目に見える次々と現れる現象。
右の澄んだ水が、心の底にある本質。
濁った川にも必要と意味があり、濁った水と澄んだ水、その両方があって成り立っているとも言えるでしょう。
どちらの川を選んで生きるのか、それはどちらがいい悪いではなくて、自分の選択なのだろうと感じた一枚でした。
川はもともと蛇行して、寄り道をし、細くなったり太くなったりして流れてきたのに、昨今では人が真っ直ぐにしてしまうので水量が増えると水も魚も逃げ場がなく、災害にも繋がっているのだそうです。
最短で最速でいくことにメリットがあるわけではなく、「蛇行」には必要があり、自然に無駄なものはありません。
人生もそれに似ているなぁ、と思って写真を見詰めました。