カサンドラとの出会い

自分の心の特徴と向き合う過程で、改めて原家族(自分が育った家庭や家族)や家族が深くかかわっていることを痛感し、自分の心は自分自身だけに依る問題ではないのだと知りました。

数年以上夫の態度に深く苦しみ続け、おかしいとも気付かず、理解もされず、心身の不調をどっさり抱えてカウンセリングやリハビリ漬けの日々を過ごしています。

ついに2022年。あるカウンセラーさんに言われた「よう子さん、カサンドラだね」という言葉にびっくりしてしまって「えっ?!わたしのほうが病気?!」と聞き直しました。

「違う違う、夫婦間で夫が発達障害で情緒的交流ができないと妻が病気になること」と教わり、すぐに入門的な本を買って読みました。

チェックリストにあたったところ、これは我が家を取材して書かれたかと思うような内容で「あっ!」と声を上げるほど驚きました。 その時の落雷のような衝撃と、その後の霞が晴れていくような過程は忘れもしません。

心の中にもやもやとしたままでずっと抱えているのではなく、その正体が分かって、心から取り出すことができると、ぐっと心が楽になり、解決が近づいてきます。 ドイツの諺に「お化けは大きくなる」というものがあります。人は不安な状態でいると、点と点を結んで勝手におばけを作り上げてしまうものですよね。

相手にやられないために、相手を把握すること、その上で正しく対処していく必要があるのです。

「誰にも分ってもらえない」「やっぱりわたしがいけないの?」

「こんな夫婦のもとに育った子どもはやっぱり不幸なの?」

と一人で抱え込み、やがて深刻な心身状態に陥る前に、その症状はもしかしたら「カサンドラ症候群かもしれませんよ」と知らせたい。

わたしに起こった救いが多くの人に早い段階で訪れるように、認知を広めるための活動をしていきたいと思っています。

啓蒙活動にとどまらず、経験者同士が繋がり、吐き出し、共感し合うことで、心を軽くし、強くしていけたらと願います。

わたしがそうであったように、あなただけではないのです。

正しく理解し、どうやって対処していったらよいか、

負けないで生きる道も一緒に考えていけたらいいなと思っています。

そこにはいくつかの選択肢があるはずです。

声をあげられる社会になるように、その日に至るまで一歩一歩できることを続けていきます。

諦めない気持ちと、意識の変化を受け入れることがとても大切ですが、

必ず今よりハッピーになることができると信じています。